Wolf Hillの朗読を無料ダウンロード―お知らせとお願い!

2009年1月26日

オックスフォード大学出版局のご好意で、Wolf Hillの朗読を無料でダウンロードできることになりました。全36冊すべての音声を2009年6月末まで利用できます。どうぞダウンロードしてお楽しみください。このあと、1ヶ月ずつ置いて、Oxford Reading TreeのRobinsシリーズ、Snapdragonsシリーズの朗読無料ダウンロードができるようにします。

大事なことは以上です。

けれども以下に、この無料ダウンロードの意義について説明して、そのあとでお願いの件を書きます。(ダウンロード先へのリンクはこのページ下部にあります)

2007年10月9日 酒井邦秀

2008年7月1日追記(管理人@tadoku.org)
無事に期限を迎え、無料ダウンロードへのリンクははずしました。みなさま、ご利用、感想メール等、ありがとうございました!

2008年7月23日追記(管理人@tadoku.org)
オックスフォード大学出版局のご厚意により、無料ダウンロードを再開しました!
現在、ダウンロード可能な音源は以下の通りです。

  • Wolf Hillシリーズ
  • Robinsシリーズ
  • Snapdragonsシリーズ

 

Wolf Hillについて

Wolf HillはOxford Reading TreeシリーズのStage 9の上に続くシリーズです。
次のリンクにくわしい説明があります。

Oxford University Press Japan Graded Readers Website - Oxford Reading Tree - Wolf Hill

なお、このリンク先の説明にはありませんが、作者とイラストレーターがOxford Reading TreeシリーズのKipperたちの絵本とおなじ人たちというところも、おすすめしたい理由です。

無料ダウンロードの意義

今回の無料ダウンロードは、聞けばすぐわかると思いますが、量といい質といい無料ダウンロードの常識をはるかに越えたものです。なぜこんなことが可能になったのか?

出版社の理由(?)

一つには出版社の都合です。(ただしこれは大部分酒井の憶測です。)朗読をCDにして販売することの経費のことがあると思われます。CDにして出すにはかなりの費用がかかるそうです。それよりもインターネット上で無料ダウンロードにした方が費用は少なくてすみます。その一方でWolf Hillシリーズの本の売り上げが伸びる可能性があります。

とはいえ、ウェブ上に載せるにはそれなりの費用がかかります。その点、わたしは電気通信大学のサーバーを多読普及のために使うことができます。(「多読・多聴授業の開発と普及」という研究課題で文部科学省の科学研究費補助金を交付されています。そのお金を使って、大学内のサーバーに何ギガバイトもある朗読ファイルを置くことができるのです。)オックスフォード大学出版局としてはこれ以上費用をかけずに朗読音声を本の販売の「宣伝」に使うことができるというわけです。

酒井の理由

もう一つはわたし自身のもくろみです。わたしは将来は多聴・多読が一つになって、単に「耳からも目からも大量吸収!」になることを願っています。その第一歩として、すべての入門用多読図書に音声がついてほしいと思っています。ところがいままでこれは容易なことではありませんでした。

そもそもつい最近まで音声素材は非常に高価でした。出版社にとっては、録音にかかる費用もさることながら、販売にかかる経費も相当なもののようです。また利用者の側から見ると、数万円の再生機材を買わなければなりません。その上、出版社にとっても利用者にとっても大問題なことがあります。再生機材は短ければ数年で時代遅れになってしまうのです。そのため音声素材は市場に出にくく、出たとしても購入を躊躇することがよくありました。

また、多聴の初期にはやさしい音声素材を大量に必要とします。その費用は相当なものです。そこでこれまでは多聴に移行する時期は多読よりもかなり遅いことが普通でした。多読がある程度進んで、聴くのに何時間もかかる素材を楽しめるようになってから、多聴に移行しました。多聴と多読を一緒にはじめることははるかな夢でした。とはいえ、言葉はやはりもともと音です。こども式を実現させるにはなんとしてもはじめから音を吸収したいものだと願ってきました。

そこへインターネットとデジタル再生機器の普及によって、多聴と多読の同時発進は実現不可能な夢ではなくなりました。いまでは音声の配布も利用も非常に簡単にできます。(iPodを買って1年余、わたしはまだPodcastを使えずにいますが・・・)ここで多聴・多読入門用の朗読が無料ダウンロードできれば、たくさんの人が楽しみながら英語を吸収することができるはずです。入門用の多読本は絵が大きな役割を果たすので、音声を無料ダウンロードにしてもたいていの場合は本を買う必要があります。

お願い

そこで、わたしのお願いです。オックスフォード大学出版局に「朗読の無料ダウンロードは本の売り上げ増につながる」ことを示したいと考えています。そうするとたとえばORTのStage 5までの朗読が無料ダウンロードできるようになったり、Oxford BookwormsシリーズのStartersの音声が無料ダウンロードの対象になるかもしれません。(なってほしい!)そしてORTやOxford Bookwormsの売り上げがふえれば、ペンギンやマクミランやケンブリッジやスカラスティックやトムソンも後を追うかもしれません。

多読普及の初期からずっと、わたしたちは「多読で話せるようになるの?」という質問を受けてきました。(オックスフォード大学出版局のBookworms Library責任者からも2003年に同じ質問をされました。)多読と多聴・シャドーイングが同時にはじめられるようになれば、そうした質問は消えていくでしょう。多読と多聴・シャドーイングは英語の総合的な力を育むものだということが「常識」になっていくはずです。

そこでお願いの核心です。今回の無料ダウンロードを利用するみなさんにはそのことを頭に置いて、できればWolf Hillの中で気に入った朗読の本を買ってほしいのです。聞き読みでもいいし、シャドーイングしてから内容を楽しむために買ってもいいでしょう。無料ダウンロードで浮いたお金の一部を使うつもりで、Wolf Hillを買ってください。これがお願いです。

最後にお断りしておきたいこと

金銭的あるいはそのほかのいかなる利益も約束されていません。

つい最近ある高校で多読をすすめる話をしたときに、一人の英語の先生から「商業的な目的があるのではないか」と質問されました。要するに金儲けのために多読を勧めて歩いているのではないかというわけです。普通、だれかが何かを熱心に勧めていたら、そうしたことを疑うのは当然です。けれどもこれまではそうした質問はありませんでした。多読がそれほど普及していなかったので、お金儲けにつながるとはだれも思っていなかったのでしょう。さきほどの質問を裏返せば、多読が本格的に普及してきた証ともいえます。

そういうことがあったので、わたしは今回の無料ダウンロードも酒井の金銭的利益につながるものではないことをお断りする必要があると考えます。今回のダウンロードは無料ですから、もちろん直接の利益はだれにも発生しません。またわたしの願いを聞き入れてくださって、Wolf Hillの本を買ってくださっても、わたしには金銭的利益は発生しません。オックスフォード大学出版局は喜ぶはずですが、わたしはオックスフォード大学出版局から金銭的あるいはそのほかのいかなる利益も約束されていません。ただ、いつかもっと多くの無料ダウンロードとなって、みなさん自身の利益につながるはずで、わたしはそれを心待ちにしているだけです。どうぞ安心してご協力のほどを・・・!

講演会、相談会など

なお、これまでも、私の活動は営利目的ではないことをついでお断りしておこうと思います。これまでの講演会や相談会で、特定の団体のために行ったもの以外は報酬はもらっていません。特定の団体というのは、たとえば英語教室や高校や大学に招かれて、その高校や大学の生徒や学生のために多読の話をする場合です。(この場合、2万円から5万円の講演料をもらうことがあります。交通費込みのことも少なくない! また、日帰り圏の場合は宿泊費は当然ありません。)また、一般の参加があっても講演がなんらかの利益を目的としているというよりは多読普及のためであれば、報酬はもらっていません。各地のタドキストのみなさんが招いてくださる場合ですね。

オックスフォード大学出版局の後援で日本中をめぐりました。いまはオックスフォード大学出版局を退職しましたが、I さんという方が多読に深い理解を示してくださって、「かならずしもOxford Reading Treeの宣伝でなくても結構です」ということでした。交通費宿泊費はもらいましたが、講演に対する報酬はもらっていません。(その代わり、各地でオフ会をやりました。これが楽しかった! 幹事をしてくださったみなさん、ありがとうございました。)今回の無料ダウンロードのことも、部分的にはわたしの無料奉仕へのお礼(?)の意味もあるのかなとわたしは考えています。(単に経費の問題かもしれませんが・・・)

ということで、多読の普及とともに酒井がお金を儲けているのではないかという疑惑は拭えたでしょうか?

Wolf Hillの朗読を無料ダウンロード!

以下のURLよりどうぞ!存分にお楽しみください!

Wolf Hill シリーズ他、音源ダウンロードページ

※しばらくダウンロードができない状態で、ご利用のみなさまにはご不便をおかけしていましたが改めて再開いたしました。今後も変わらずご利用ください。(2012/01/25 管理人)

リンク先のページを読んでもダウンロード方法が分からない方はメールフォームよりお問い合わせください。