酒井邦秀について

初稿:2008年12月27日

最終更新日:2009年1月28日

このサイトの主催者です。簡単に自己紹介を・・・

(管理人注:この文章はこのウェブサイトがオープンした、2007年1月1日にあわせて書かれたものです)

 といっても何を紹介していいのかわからないので、英語的自伝を少々。

 中学生のころは絵に描いたような文法少年で、山崎貞という人の書いた「新自修英文典」を読みふけりました。わかるところだけですが、何度も何度も読みましたね。辞書にはまだ目覚めていません。遠い親戚のおじさんからもらった三省堂の「コンサイス英和辞典」で用は足りていました。

 高校では英語部にはいって英語劇に夢中でした。文法はさらに勉強を続け、英和辞典は研究社「ポケット英和辞典」へ。新しい辞典は独特のインクの匂いがして、ページの端がきれいにそろっていて、買ってもらったばかりのうれしさは何とも言えないものでした。受験英語はしかるべく一生懸命やりました。でも「赤尾の豆単」はすぐに挫折。でも同じ赤尾の「英語の総合的研究」というのはしっかりやった。一方3年の時は1年上の先輩が国際基督教大学だったので、 ICUのFreshman Englishというコースの課題を次々と借りては読みました。たしかWilliam Saroyanの My Name is Aram とか、William Ingeの Bus Stop とか・・・ ほとんどわからなかったと思います。これがわたしの最初の「多読」でしょうか。いや、ちがいますね。たしか2年生から3年生になる春休みに、2年生のときの副読本で授業では終わっていなかったSilas Marner(簡約版)をほぼ徹夜で読んで、実にさわやかな気分だったことがあった! あれがはじめての「読み飛ばし」ですね。

 でも大学になっても精読がほとんどでした。大学ではとれる英語の時間は全部取ったような気がします。

・・・だんだん長くなりそうな気配・・・

 ウェブサイト公開に間に合わせるために、いまはここまでにします。それで、いつかは大学にはいってからSSS英語学習法研究会がはじまって、掲示板が盛り上がるまでの話を書きます。

 でも、SSSのウェブサイトを離れてなぜこのウェブサイトを作ることになったかというところだけはわかるように、SSSのウェブサイトが発行している「多読通信」というメール・マガジンに書いたコラムを引用します。(「多読通信」版にくらべると、1カ所だけ修正してあります。)

Contradiction(*) 多読は新しい扉を開けて、旅立ちます!

 11月30日以来、SSSのトップページでも知らせていただいていますが、ぼくはSSS英語学習法研究会の顧問を辞して新しい一歩を踏み出します。先日のタドキスト大会ではすでに新しい旅のことをお話ししましたが、このコラムでも同じお知らせをして、みなさんに多読の未知への旅立ちを祝っていただきたいと思います。

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 掲示板でみなさんと知り合ってからちょうど5年経ちました。何度も書いたように、この5年間はぼくにとって至福の歳月でした。いまの世の中にこんなことが可能なのだろうかと疑うほど楽しくあたたかい場が5年間も続き、これからも続きそうです。掲示板はこれからもずーっとぼくの生き甲斐です。

 掲示板は多読三原則、書評ページとともに多読普及の三本柱だとぼくは考えていますが、この三本柱の中で書評ページと掲示板を生み育てたのはSSS英語学習法研究会です。ぼくはそのSSS英語学習法研究会にさよならを言って新しい扉を開くことにしました。

エピローグ:The Enchanted Place(*)

 SSS英語学習法研究会は古川さん、マリコさん、まりあさんとぼくが5年半くらい前に立ち上げました。この方々の心底献身的な尽力がなければ多読がこれほど短期間にこれほど広がることはなかったでしょう。とくに古川さんがウェブサイトを立ち上げてくださったことはきわめて大きなことだったと思います。また初期の掲示板に三人が積極的に参加してくださったことで、居心地の良いあたたかな雰囲気が生まれ、それがいまに続いています。また三人は書評ページの立ち上げにも大変な貢献をしてくださいました。三人が上げた書評の数々がなかったら、そして古川さんによる書評ページの改良がなかったら、1万冊を越える書評が集まることはありえませんでした。

 そうした発展の間、ぼくもSSS英語学習法研究会の一員としてハンドル・ネームを「酒井@SSS」と名乗っていたことを、古い(といっても2年も前ではないころの)メンバーは覚えていると思います。ただ、発足前からぼくはこの名前は実態にそぐわないと感じていて、そのことは何度も掲示板に書いたり、講演会で話したりしました。

 とくに当初はSSSの一つのSはSakaiのSだと古川さんは言っていてぼくは「個人の名前をつけた方法なんて怪しい!」と反対していました。ぼくはいつかSSSの名前が変更されると期待してSSSを了承したのでした。けれども名前は変更されることはなく、昨年の4月に日本多読学会ができたのを機会にぼくはSSS英語学習法研究会を辞めて顧問になり、そのころからいまの「酒井@快読100万語!」というハンドル・ネームになりました。

 ハンドル・ネームの変更以後もそれ以前と変わらず掲示板に参加し続けて、1年半以上たったいま、多読は成長に伴って大きな変化のときを迎えたと思います。

プロローグ: ♪ せーんろはつづくーよ、どーこまでも~ ♪

 掲示板は成長して大きくなっただけではありません。多読ははじまったばかりだったので、わからないことだらけでしたが、みなさんはぼくに実にたくさんのことを教えてくれました。いまは胸を張って多読はよいやり方だといえますが、それはみなさんがさまざまな成果や悩みや知恵を出してくださったおかげです。

 そしてみなさんは多読がさらに先の世界へつながっていることを教えてくれました。みなさんは学校英語を捨てて、音へ、仕事へ、趣味へ、書くことへ、図書館探索へ、児童英語へと未知の世界へずんずんずんと分け入っていきました。その自由闊達なこと! 学校の先生でもあるぼくから見るとさわやかでさえあります。

 みなさんが書いてくださったこと、あちこちのオフ会で話してくださったこと、やっていること、それを集めてみると全体としてある道しるべになっているように思えます。それは「こども式」あるいは「ナチュラル・アプローチ」という道のようです。ぼくはみなさんが指さしてくれるその道を進んでいこうと思います。つまり「こどもが母語を獲得する過程を、外国語獲得でもできるだけ忠実になぞってみよう」というわけですね。

 これはとてつもなく異端の考え方で、世の中には「英語を日常的に必要としない日本では、辞書や文法を使う必要がある」という考えが浸透しています。母語ではないのにこども式で獲得なんて、世界でだれも確かめたことがない!無茶だ!! というわけです。

 けれどもそれを言うなら(for that matter)、多読三原則だってだれも言い出さなかった・・・ ぼくは多読で味をしめてしまったので、だれも言い出していない道の方こそよいことが待っていそうな気がするのです。多読のよさがたしからしくなってきたので、「辞書や文法と組み合わせたらもっと早く効果が出るのではないか」という人たちがいます。そうかもしれませんが、それはぼくの行きたい方向ではありません。すでにできている道をほかの人よりすこし速く行くことなんて、ぼくは興味がありません。どんなに無理無謀に見えてもその先に新しい世界があるかもしれない未知の道を開いていく方がずーっと楽しそうではありませんか! それにきっとみなさんが一緒に道を切り開いてくださるにちがいない!? とんでもない方向違いだとしても、一緒に笑ってくれる仲間がいるにちがいない!!!

 そこでぼくはみなさんがくださった知恵と知識を、読むことだけでなく言葉を使うあらゆる場面で生かす研究をはじめます。新しい出発のためにSSS英語学習法研究会を離れますが、掲示板上ではいままでと何も変わりません。この投稿を多読の新しい旅立ちまたはプロローグと受け取ってくださったら、こんなにうれしいことはありません。旅立ったあとの旅程、脇道、寄り道、おいしいものについてはぼくのウェブサイト(tadoku.org、現在未完成・・・)でお知らせします。掲示板とともに、そちらでもお会いしましょう。

これからも末永く、よろしくお願いします!

So they went off together. But wherever they go and whatever happens on their way, in that enchanted place on the top of the forest, a little boy and his Bear will always be playing. (*)

みなさん、これからもずーっと、Happy reading!!

*Contradiction、The Enchanted Place、最後の引用はA.A. Milneの The House at Pooh Cornerからもらいました。プーさんに感謝します。
*For that matterについてはSSS掲示板「英語のことなんでも」の意見募集を見てください。

SSS多読通信 第156号(2006/12/14)」コラムより