2008年9月17日

レールをはずれるために −に− (長文です)

14日の蘊蓄オフ会と「雫」さんのメールに触発されて、これまでの多読を壊すなどと言い出しました。

またまた酒井はどこかへ突っ走ろうというのでしょうか?

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いえいえ、わたしは非常に慎重な人間です。(Contrary to popular belief)
その上謙虚なので(これも contrary to popular belief)本だってなかなか書かない・・・

笑わないでください、本気です! 

  (「ako」さんに「とにかくどんどん本を出さなきゃいけませんよ」って叱られて、
   その通りだと思ったので、少しペースを上げようと思っていますが)

  (それで思い出しましたが、いままででわたしがもらった本の感想で
   一番くらいにうれしかったのは福岡である若い男性が「本を読んで酒井さんは
   謙虚な人だと思った」と言ってくれたことです。おー、知己がいたと思いました。
   次に書く本はぜひ献呈したいと思いました。もうすぐできあがりますが、
   名乗りでてください!)

何の話でしたっけ?

そうか、「多読を壊す」などとまた極端なことを言いだしてとみなさんの顰蹙を買わないように、必死で自己弁護しているのでした。

本題の「レールをはずれるために」からはずれないようにしましょう。

でね、何も壊すまで言わなくてもいいじゃないかと自らブレーキをかけたのです。

  (「時間をやればいつかわかる」っていうのは、イーヨーがプーさんにいった
   言葉ですね。酒井だって時間をやればブレーキをかけられるようになる。)

で、レールをはずれるための第一のヒントは

  語数にこだわらなくてもいいんじゃないか?

ということです。

つまり語数はこれまで非常に大きな役割を果たしてきましたが、それは「多読に懐疑的な人が好きなように利用したから」かもしれない、ということです。

多読を学習法として「はなから信じこんだ」人の手にかかると、読了語数の記録はみごとに鎖となってその人を縛ってしまうのではないか・・・? 

  (みなさんの意見や感想を待ちます。切に待ちます!)

そこで、土曜日の蘊蓄オフ後の飲み会ではみなさんの声に乗って「100万語というスローガンを捨ててしまおう」などと言いましたが、その後落ち着きを取り戻した酒井は次のような「建設的提案」をすることにしました。

  語数だけでなく、ページ数や冊数を併用しよう!

  (うーん、われながらこの落ち着きはよいなあ!)

つまりレールをすぐにはずすのではなくて、複数の道にしようというわけです。

最初はやはり「レールがあるかに」見えた方が入りやすい、おそらく。「近眼の独眼龍」さんの名言の通りでしょう。

  多読が学習法じゃなかったらはじめなかった。
  ただの学習法だったら応援しなかった。

独眼龍さんの言の後半部分を生かすには、複数のレールあるいは道を用意した方がよさそうです。少なくとも語数だけを基準にするのはやめた方がよさそうです。

というのは・・・!

これまでたくさんの人を観察してきて、

  語数とともに冊数も楽しい読書に関係ありそう

だと思われるのです。

そこで、この人はたくさん読んでいるのに十分楽しんでいないようだ感じたときは、語数だけでなく冊数をたずねます。中には100冊で100万語という人もいます。それは(いまでは)少なすぎます。

  (いまでは、というのは、多読普及初期にはそのくらいの割合を勧めていたので、
   自省を込めて「いまでは」・・・)

次回の蘊蓄オフはORT大会ですが、「やさしい」英語の大切さをたしかめるのにちょうどいい機会になるかなと期待しています。これも独眼龍さんだったかなあ、

  上のレベルは話がおもしろい。
  やさしいレベルは英語がおもしろい。

だったかな? だからといってやさしい本を無理して読むことはないんですよ。パピイさんがいみじくも言っていましたが、ORTこそ蘊蓄に相応しいと。たくさん読んだからこそORTで蘊蓄が語れると。やさしい本には何百万語も読んでから戻ったってちっともかまわないのです。

そこで、多読の進み具合を語るには、語数だけではなく、冊数も大事、というわけです。

さらに、ページ数というのもあります。というのは、多読の最初期はページ数で記録していました。20年くらい前に一橋大学でやっていた多読クラスはそうでした。

ページ数カウントの利点は絵本の価値が上がることです。A picture is worth a thousand words. という言葉がありますが、おそらくその通りです。たとえばORTやLongman Literacy Landを読んで、字だけ見て絵を見ないのではモモを食べるときに果肉を捨てて種をかじるようなものです。絵にこそ栄養がある!

一方でページ数だけ注目すると厚いペーパーバックでページ数を稼ぎたくなる人が出てくるでしょう。

そこで、当面、語数と冊数とページ数を併用してはどうでしょう?

長くなってのぼせそうなのでここらで、終わりにします。

みなさんの意見や感想を心待ちにします。
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