2008年11月24日

多読(で育った(?)こども)と学校英語

さきほど「「さよなら英文法!」について」という記事を書いてから、床屋に行き、帰りに邪宗門でダウンロードしたばかりの Kay Scarpetta の新作をゆっくり読んできました。

しばらく前からこういう静かな午後を待ち望んでいたので、ちょっとだけゆっくりしたわけです。で、ブログ復帰第2弾(いただいたメールの順です。)・・・

「NEO」さんは、実に地に足のついた人だと思われます。ご自分の児童英語教室を通して、こどもたちと一緒に成長していらっしゃるという印象があります。そのときどきにメールでこどもたちの成長をしらせてくださるのですが、その度にNEOさん自身の視野が広がり、足下が確かになっているような気がしてなりません。

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最初はNEOさんに質問なさった人への答えからはじまります。

YYYさんへの答えには全くならないだろうと最初に書いておきます。それは多読って人それぞれで、同じ歩みなどないと言い切れるからです。矛盾した疑問を生徒自身が葛藤と戦って整理してきたんだな〜と思いました。

これはね、なかなかこんな風にすっきりと表現できない話題だと思うのです。
この一言を読んだだけで、NEOさんが山あり谷ありの経験をしてきて、その中からこどもたちと一緒に何かをつかんできた確かさを感じるのです。
YYYさんからの質問。
高校生のテストはGRからでるのですね。
それを和訳するという問題もありますか?
学校英語の文法、単語、構文の勉強は、多読をする時に悪影響となることはなく、自然に使い分けを皆さんされているのですか。

業者テストはGRからも出るし、和訳もあるそうです。

Aiちゃん(高2・多読1年、110万語)指導して1年です。もともと英語の成績は良い。留学の目的があって私の所へ。学校英語、文法は一切していません。この質問のような違和感を感じた事はないそうです。使い分けているとかも考えた事がないみたいでした。

S君、(高2・多読180万語、多読4年目)小5から私の所に来ています。学校英語は中1で終わり。自分でするから私にはそれ以外をして欲しいという事でそうなりました。この時から学校英語は受験のツールと捉えていたように思います。受験の時は1年間、難関高への進学塾に通いながら、私の所に通っていました。

質問への答えは、「英語を英語で理解する」を阻害するので学校英語は捨てた。昔は点取り虫だったのに私の方がびっくりしました。(コツコツ勉強するタイプ)。 多読や英語のワーク・会話を通して(私のレッスン)話せるようになったので、「今のボクにとって学校英語より話す方が優先です。」 ようするに、英語を英語で理解して話せるようになったのね? (超〜感動してしまった私)


うーん、あのSくんが・・・ これは感激しますね、たしかに、って、わたしは一度会っているはずですがぼやっとしか覚えていない。でも、NEOさんのメールに出てくるので「知って」いる。
それにしても割り切り方がすばらしい・・・
高1に、学校の構文やグラマーが分からなくて、暴れた時があります。その時は同じグラマーの箇所をグラマーインユーズでやりましたが、すごい時間の浪費。それでも本人が意地でやりました。「私は、時間がかかるから、日本式のグラマーで学校の文法をクリアーしたら?」と提案したくらい。それでも本人が意地でやりました。文法をやるにも本物しかしたくないと彼に意地があったみたいです。それが半年続き、それ以後、文法に関しては何も言わなくなりました。高2には、GR5の法廷物も読めるようになり、文章も書けて、それなりに話せるようになり、「多読・多聴・シャドーイング・英語で英語を学習する、英語を日本語変換をする事なく聞き、話す。」 これが、成績より大事になったようです。

定期テストは高1の頃はトップクラス。(私立の特進)現在は真ん中に落ちたそう。(私、青くなりました) 範囲のない業者テストは、トップクラス。学校英語は直前に詰め込み、猛勉強をするそうです。葛藤と戦って、自分の中で優先順位を決めて自分がしたい事、話せる、使える英語に向かって進んでいるんだなと思いました。


多読の最大の目的は自分の足で歩けるようになること。わたしの授業でいえば「離陸」です。高校生は受験という大きな壁があるのでなかなか自立がむずかしいと思います。よくまあそこまで・・・!
ここまで割り切って自分のやりたい事をするって決めたから、最近の多読もすごい。私の書庫に入って読む本を選ぶ。英語のワークもすごい量をやってくる。週間STの新聞記事について、意見を英語で2,3行書いてきて発表してもらっているのですが、それもちゃんと忘れず書いてきます。学校英語の目先の事よりも、もっと先をちゃんと目標にしているのです。

うーん、どうしてそこまで自分のやりたいことをはっきり意識できるようになったのでしょうね? たいしたもんです・・・
S君志望の大学学部は、英語と全く関係ありません。だから学校の英語の成績や文法とかは目をつぶる事ができるのかもしれません。大学入試は多読・多聴で乗り切れますし、大人しいタイプなので推薦で大学を取れるとも思っていない。

S君を見ていると、学校英語以外の事にこだわってやったから学校英語を越えて成長したと思っています。だから、高校英語の意味のなさを強く感じるのです。(最近のS君とAiちゃんの急成長を見て)中学英語はまだ良いと思っていますが・・・(話す英語の基本になる文法)学校英語以外というのが大きいし、S君自身がそのように実感しているので高校学校英語の無意味さをますます実感しているのです。だから酒井先生の気持ちが良く分かる。


ありがとうございます。Sくんにもまた会って話したいと言っていたと伝えてください。
AiちゃんにS君の話をしたら、目を丸くして驚いていました。(同じ中学だからS君が物静かな性格で主張する人だと思っていない)
英語を通して、自分の考えを言えるように成長したように見えます。英語で自分の考えを言えるようになったのはすばらい事。S君のレッスンは中2から受身でない。彼に相談して一緒に教材を選び歩んできました。ちゃんと主張があるのです。

中学生にして主張があるというのも・・・
妹の英語に関しても、せっかく多読でここまできているので(彼は妹が小4から多読をしているので自分とは違う感性をとても認めている)このまま、学校英語で惑わされず、突き進むべき。学校の英語は多読をして先にいけば、中3の受験期には後ろに整ってくるよと、私がアドバイスを受けた事もあります。

そうですか、NEOさんにアドバイス・・・

ほかにも何人か、「主張を持った中学生」を知っています。あちこちごつごつと頭をぶつけながら生きていくことになるかもしれませんが、主張を持ったこどもたちは見ていて安心な気がします。力になれる機会があれば、なりたいです。

Aiちゃんは、ここまで話た後に本音が・・・・私は、学校英語はしないと宣言していたので(高校英語の文法は私が理解できなくて教えられません)遠慮していたのでしょう。文法のテストが取れないそうです。周りの皆はプリントを解いて先生の話を聞いて対応できるそうなのですが、みんなと同じようにはいかない。分詞構文で穴埋めの問題です。グラマーインユーズをしてみたいとか・・・どうしたらいいか相談を受けました。グラマーインユースは時間を浪費するしな〜。学校英語はプリントは反復して理屈なしにパターンを詰め込んだ方が対応できるような。Aiちゃんも範囲のない業者テストが強くなると思うし。

自分の中で優先順位を決めてもらって、何をするか来週、話しを
する事にしました。学校英語で分からない文法に照らし合わした箇所のグラマーインユーズをすると腑に落ちるかもしれませんしね。本人に決めてもらいます。

いづれにせよ、私は高校・文法は教えられないので、今までと同じ内容でのレッスンになります。多読をしていると必ず、一度はくる悩み、矛盾。みんな戦いながら自分の乗り越え方を見つけるのだと思います。

うん、このあたり、支援する人も性根が据わっていないとこうは言い切れませんね。そして、言い切った後に人知れず悩む・・・ わたしもつい最近そういうことがあった・・・ 

まわりと、大きな流れと、どう折り合いをつけていくのか?

中2・S君の妹は、深く考えていませんね。多読をしているから周りの子よりも勉強しないで点が取れる。学校和訳に関しては単語一つ一つを訳すしかないのだし。本を読む時は和訳はしていない。学校英語の和訳が邪魔をしているかどうか?していないから、YL1.8の2000語の児童書が音源有りで読めるのだと思います。小2から松香フォニックスの教材で育ち、小3から多読が入り、音から入っている生徒なのです。その分、学校英語の矛盾に苦しまないように中1は私の方がサポートに力を入れました。中2からは学校英語の指導はプリントを渡す宿題程度なので時間は使いません。だから、本人はお気楽でなんにも感じていなくてレッスンも休まず気楽に遊び感覚でやっているみたいです。どれだけの英語の量をやっているのか、本人はなんとも感じていないのです。

おもしろいですね! ほんとに一人一人ちがいますよね。
だから、どんなに経験を積んだようでも、最終的な自信はない。
「今までの経験からはこんな感じで支援する」としか言えませんね。
今回の事で生徒とゆっくり話せたので良かったです。本人に任せる。自分であがいて自分なりの折り合いを見つけるしかないのだと思います。

うーん、そう・・・ それしかないですよね・・・
そうなんだけど、なんとか手助けしたくなって、ときには出過ぎる。次のときには控えすぎる。

うれしいです。おなじように悩む人たちがいて、悩みながら信頼関係を育てている人がいる! 

さて、あしたの授業はどうしよう・・・?